「なんとなく暮らしにくい」の正体は?設計士が考える、毎日を心地よくする家づくりの5つのポイント
毎日の暮らしの中で感じる「なんとなく使いにくい」「片付かない」といった小さな悩み。実は、間取りや収納の工夫で解決できるかもしれません。
一級建築士・インテリアコーディネーターなどの資格を持ちながらであり、プライベートでは3児の母としての顔を持つ設計士の伊藤が、心地よい暮らしを叶える家づくりのポイントをご紹介します。
2026.10.24
こんにちは。Home&nico設計士の伊藤です。
設計士として、日々お客様の住まいづくりに携わりながら、私自身も3人の子どもを育てる母として、家で過ごす時間の大切さや、毎日の家事・育児の大変さを実感しています。
暮らしていると、「もう少しここが使いやすかったらいいのに」「どうしていつもここが散らかるんだろう」と感じることはありませんか?
実は、こうした日々の小さなストレスは、間取りや収納の工夫によって軽減できることがあります。
今回は、設計士としての視点と、日々の暮らしの中で感じることを交えながら、毎日を心地よく過ごすために考えておきたい5つのポイントをご紹介します。
毎日を心地よくする家づくりの5つのポイント
家事の動きをイメージして、動線を考える
家族の暮らし方は、それぞれ異なります。家事の分担や朝の身支度、食事の時間、休日の過ごし方など、日々の生活スタイルによって、使いやすい間取りも変わってきます。
例えば、家族が同じ時間帯に身支度をするなら、洗面スペースの広さや使い方が暮らしやすさを左右します。また、料理をしながら家族と会話を楽しみたい方と、効率よく家事を済ませたい方では、キッチンに求めるものも異なります。
暮らし方に合わない間取りは、毎日の小さな不便やストレスにつながることも。
だからこそ、間取りを考える前に、普段の一日の動きや家族の過ごし方を振り返ってみることが大切です。
例えば、こんなことを振り返ってみましょう。
□ 家事はどのように分担している?
□ 朝の支度時間が重なることはある?
□ 食事の時間や片付けは、家族で一緒にする?
□ 休日は家族で過ごすことが多い?それぞれが好きなことをして過ごす?
□ 家で過ごす時間の中で、大切にしたいことは?
何気なく過ごしている日常の中に、暮らしをラクにするヒントが隠れているかもしれません。
収納は「量」だけでなく「場所」が大切
「収納はたくさん欲しい」というご要望は、家づくりでもよく耳にします。
もちろん収納量は大切ですが、収納がたくさんあっても、使う場所から遠かったり、しまうまでの手間がかかったりすると、片付けにくさにつながることがあります。
例えば、上着やバッグを玄関近くに置けるようにする。掃除道具を使う場所の近くにしまう。子どものおもちゃを、遊ぶ場所のそばに収納する。
こうした工夫によって、使ったものを元の場所に戻しやすくなります。
LDK扉のすぐ横に、ハンガーパイプ付きの収納
リビング小物を収納できるテレビ裏収納
私自身、子どもがいる暮らしの中では、片付けやすさは家族みんなが無理なく続けられることが大切だと感じます。
収納を考えるときは、「何を、どこで使い、どこに戻すのか」までセットで考えてみましょう。
家族みんなが心地よく過ごせる「居場所」をつくる
家族が集まる場所というと、広いリビングをイメージする方も多いのではないでしょうか。
もちろん、家族が一緒に過ごせる空間は大切です。でも、家族みんながいつも同じことをしているとは限りません。
リビングでくつろぐ人、ダイニングで仕事や勉強をする人、少し離れた場所で読書をする人。
同じ空間にいながら、それぞれが自分の時間を過ごせる場所があると、家族の気配を感じながらも心地よく過ごせます。
大きな部屋をつくることだけが、居心地のよさにつながるわけではありません。
窓辺のカウンターや小さな畳スペースなど、暮らし方に合わせた居場所を考えることも、家づくりの楽しみのひとつです。
中庭を中心に、リビングとダイニングが緩く仕切られた配置に。
今だけでなく、これからの暮らしも考える
家づくりでは、今の家族構成や生活スタイルをもとに間取りを考えることが多いと思います。
けれど、子どもが成長したり、働き方が変わったり、家族の過ごし方が変化したりと、暮らしは少しずつ変わっていくものです。
例えば、子ども部屋は成長に合わせて使い方を変えられるか。収納は将来、必要なものが変わっても使いやすいか。年齢を重ねても移動しやすい動線になっているか。
すべての将来を予測することはできませんが、変化に対応しやすい住まいを考えることはできます。
「今、便利な家」であることと、「これからも心地よく暮らせる家」であること。その両方を考えておくことが大切です。
機能だけでなく、「好き」と思える場所も大切に
家事がしやすいこと、収納が充実していること、移動がスムーズなこと。どれも、暮らしやすい家を考えるうえで大切な要素です。
でも、心地よい暮らしは、便利さだけで決まるものではありません。
お気に入りのインテリアを眺める時間。窓から庭を眺めながら過ごすひととき。家族が自然と集まり、会話が弾む場所。
そんな「ここが好き」と思える場所があることも、毎日の暮らしを豊かにしてくれます。
インテリアコーディネートの視点からも、色や素材、照明、家具の配置によって、空間の印象や過ごしやすさは変わります。
使いやすさと、自分たちらしい心地よさ。その両方を大切にしながら、住まいを考えていきたいですね。
お気に入りの場所のひとつ、リビングの窓辺。 朝の出勤前には、ここにヨガマットを敷いてストレッチをするのが日課です。 ウッドブラインドから差し込む光がとてもきれいで、特に晴れた日は気持ちよく1日をスタートできます。
お気に入りの、トイレの一角。 最近は窓のないトイレも多いですが、我が家は中庭に面した掃き出し窓があります(笑)。 日中は窓から入る自然光、夜はヤコブソンランプのパイン材を通して広がるやわらかな光。時間帯によってまったく違った表情を楽しめる、お気に入りの空間です。
自分たちの暮らしに合った家を、一緒に考えてみませんか?
家づくりで大切なのは、人気の間取りや設備をそのまま取り入れることではなく、自分たちの暮らしに合った住まいを考えることです。
家族構成や生活スタイル、好きなこと、大切にしたい時間は、ご家庭によってさまざま。だからこそ、まずは今の暮らしや、これから叶えたいことを整理するところから始めてみませんか?
「何から考えたらいいかわからない」
「自分たちに合った間取りが知りたい」
「家事や収納の悩みを解決したい」
そんな方も、まだ具体的なイメージが決まっていなくて大丈夫です。
Home&nicoの家づくり相談会では、ご家族の暮らし方やご希望を伺いながら、住まいづくりについて一緒に考えていきます。
理想の家を考える前に、まずは理想の暮らしを考えることから。
ぜひお気軽にご相談ください。
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