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家づくりコラム

パッシブデザイン 自然風利用について

安井建設(株) ママ一級建築士の伊藤由子です!

今回は、パッシブデザインの要素の一つでもある

「自然風利用について」のお話しです。

2020.05.20

清々しい日が続いていますね!

花粉症の時期や夏期の暑い日や冬期の寒い日は窓を開けられないことも多いと思いますが、

春や秋の清々しい日には窓を開けてさわやかな風を感じたいですね。

 

そして、最近では新型コロナウィルスの流行もありますので、積極的に換気をしたいところです。

 

自然風利用できる時期としては、窓を開けて自然風によって室温が下がり、

冷房負荷が減る時期に利用することが効果的です。

 

今回は自然風をうまく家の中へ取り入れていく方法

「自然風利用」についてのお話しをさせていただきます!

自然風利用で一番重要な「卓越風」とは?

自然風利用をするにあたって、卓越風を利用することがとても重要です。

卓越風とは、ある一地方で、ある特定の期間(季節・年)に吹く、最も頻度が多い風向の風です。

(一級建築士の製図試験にも出ました!)

 

卓越風はどうやって調べるかといいますと、

各地の卓越風のデータが閲覧できる「IBEC」のホームページにあります。

このデーターより、風が吹く量や方向を読み取ることができます。

名古屋 卓越風データ IBECより抜粋

この表を読み解きますと、名古屋で自然風利用できる時期として、

 

4月、9月から11月は、起居時、就寝時ともに北北西~北から風が吹いていることがわかります。

5月~6月の起居時は南南東、就寝時は北北西から風が吹いていることがわかります。

7月~8月の就寝時は、南東から風が吹いていることがわかります。

 

この卓越風を上手く家に取込むことができるように、窓を設置していくことが重要なのです。

 

周辺環境や隣地の建物の状況でも変わることは考えられますが、

風が吹く方向を読み解くことはとても重要です。

一般的な窓の10倍も効果のある「ウィンドキャッチ」とは?

この上の図のように縦辷り出し窓の開けたガラス面に風を当て、

室内に風を取込むという手法をウィンドキャッチといいます。

卓越風がこの縦滑り出し窓を開けたときのガラス面に当たるように設計にしてあげると効果的です。

 

窓のすぐ横に袖壁を計画することでも同じ効果が得られます。

リクシルHPより抜粋

このウィンドキャッチを利用した実験で、

通常の引違窓とほぼ同じ面積の縦辷り出し窓の吊元を反転させた窓を同室の同じ面に付けるだけで、

引違窓の10倍の通風量となったという結果があります。

 

北側にランドリースペースを設けた場合や、換気効率を高めたいお部屋にはとても有効ですね。

吹き抜けなどを利用した温度差換気

空気は温度が高いと、密度が小さく、軽くなるため、温かい空気は上にいき、

冷たい空気は下へいくという性質があります。

風の入口としての窓を卓越風が吹いてくる方に向けて設け、

その反対側の上部に出口としての窓を計画すると排熱効果が生まれます。

 

夏期に上部に溜まった暑い空気を外部へ流出させることを排熱といい、

室内を涼しくさせる作用があります。

冬期にも吹抜けに溜まった温かい空気や湿気を排熱することで、内部結露防止にも役立ちます。

高窓には、チェーンオペレータ―の付いた窓や電動にて開閉できるよう横滑り出し窓がオススメです。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

換気をして健康を保ち、自然風利用をして気持ちよく過したいですね。

 

最後に気を付けていただきたいこと1点。

「自然風利用するために窓を大きく取ればいい」という考え方は避けられたほうが良いです。

 

別の視点からですと、

窓を取り付けるにはコストが掛かります。

窓を付けると耐力壁が少なくなるので構造が弱くなる場合もあります。

また、窓を設置しすぎてしまうと家全体の断熱性能が落ちてしまうのです。

(家全体に対して、割合を計算する必要があります)

多角的に検討して、窓は取り付けましょう!

何事もバランスが大切です。

 

伊藤 由子|ママ一級建築士

Home&nicoライフデザイン事業部に所属。今までに100棟以上の住宅設計に従事。
【保有資格】
一級建築士/一級建築施工管理技士/インテリアコーディネーター/省エネマイスター/ライティングコーディネーター 

【プロフィール】
岐阜県岐阜市出身。3児のママ。
大学では家政学部住居学科卒業後、建設会社、大手ハウスメーカーを経て、結婚を機に2006年にHome&nicoに入社。
現在では、3人の子育てをしながら、営業設計として家づくりに携わっています。
毎日の家事や子育ての中で感じる「リアルな暮らしやすさ」を大切にしながら、 家事動線・収納・洗濯・子育て・将来の暮らしまで考えた間取り提案を得意としています。
資格や知識だけではなく、 実際に暮らしているからこそ分かる“ちょうどいい住まい”を、お客様と一緒に考えていきたいと思っています。

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